流体-構造連成解析ソリューション
流体-構造相互作用(fluid-structure interaction: FSI)とは、流体の流れが及ぼす圧力によって固体構造物が変形するために、流体の流れの状態が変化する現象を指します。この種の相互作用は、例えば航空機の飛行中に翼が変形を引き起こしたり、気流による構造物の振動を引き起こしたりします。
動脈内血流の生医学分野におけるFSI解析。アニメーションは、構造側(動脈)の変形および応力分布を表しています。
ANSYS FSIソリューションは、この分野で最も柔軟性が高く先進的な流体-構造連成解析のツールを提供します。流体-構造連成解析は、弾性動脈モデリング(生医学)、翼の振動(航空工学)、構造物への風力による荷重(土木工学)などのさまざまな専門分野で必要とされています。ANSYS FSIソリューションは、2つのレベルの流体-構造ソフトウェアカップリングから構成されています。
- Basic FSI: 構造、電磁場、および流体間の基本的なカップリングであり、定常解析に適しています。このカップリングはファイルベースの一方向連成解析であり、1つのシミュレーションの結果がもう一方のシミュレーションの荷重または境界条件として使用されます。このCFDカップリングは、すべてのANSYS製品(Professional以上)とCFXとの間で使用できます。
- Advanced FSI: ANSYS Multi-field™ ソルバーを使用し、形状の移動/変形を考慮する時間依存の過渡解析または定常解析を行う、本格的な双方向のFSI機能を備えています。この機能は、ANSYS MechanicalおよびMultiphysicsとCFX(full / basic capability)ソルバーとの間で使用できます。また、ANSYS Multiphysicsの中でFLOTRANとカップリングすることもできます。
Multi-field™ソルバー
ANSYS Multi-fieldソルバーは、さまざまな新たな産業分野、および用途において連成場問題を解析するための、操作性の良いツールです。Multi-fieldソルバーは、自動収束機能を持った物理フィールドの連成解析ツールであり、ANSYS Multiphysicsソリューションで取り扱うすべての物理現象に対して適用できます。ANSYS Multi-fieldソルバーは、Fluid Structure Interaction(FSI)アプリケーションで使用するためのCFXとのカップリングもサポートしています。構造部分はANSYS Multiphysics(または Mechanical)を使用し、流体部分はCFX(full / basic capability)ソルバーを使用して解析します。Multi-fieldソルバーテクノロジーを利用すると、構造解析と流体解析を同じマシン上または複数の異なるマシン上で同時に実行できます。使用できるコンピュータの数に制限はないので、特に流体部分のシミュレーションに要する時間を節約できます。さらに、Multi-fieldソルバーは、LAN、WAN、またはインターネット接続の通信環境においても使用できます。
Advanced FSIの主な特長:
- 流体-構造連成は、それぞれが独立したモデルとメッシュを持つ個々の「フィールド」として処理されます。
- 各フィールドでの機能は、ANSYS MechanicalとCFX(full / basic capability)ソルバーにおいてサポートされます。
- 構造と流体場は、フィールドインターフェースを定義して荷重を受け渡すことによりカップリングされます。
- 各フィールドで異なるメッシュを使用できます。
- サーフェース荷重とボリューム荷重を受け渡すことができます。
- 流体-構造連成解析は、別々のコンピュータで実行できます。
- 反復型(荷重ベクトル)連成では、異なる特徴を持つフィールドを組み合わせることができます。
- 解析タイプ(過渡、静的、または調和)
- ソルバーおよび解析オプション
- メッシュ離散化
- 自動メッシュモーフィング
- 材料および形状の非線形性
- 各物理場「フィールド」で独立した結果ファイル
1-way FSI: 熱交換器の熱-応力解析
Advanced FSIソリューションの利点
ANSYS Multi-fieldソルバーによるAdvanced FSIソリューションには、同一開発元の強みを生かしたさまざまな利点があります。
- サードパーティ製品を使用したカップリングは不要です。購入するソフトウェアツールの数が少ないので、ソリューションの購入、習得、および管理に伴うコストを削減できます。
- 大規模のFSI問題に対しては、2つ以上のマシンで計算を行うことにより計算が可能となります。また、CFXソリューションでは、並列計算が可能です(追加のCFX並列モジュールが必要)。
- ロバスト性と信頼性の高い連成解析により、シミュレーションの時間と労力を節約できます。スタッガーループを使用してデータ交換を行うため、各タイムステップの終了時に計算が確実に収束するように考慮されています。単一のタイムステップ内でも確実に収束します。
- FSI連成解析では、LAN、WAN、またはインターネット接続を利用できます。