

高周波(High Frequency: HF)電磁場とは、自由空間における電磁エネルギーの生成と伝播、およびその誘電体や金属媒体との相互作用を表すものです。HF電磁場の数値シミュレーションで、電気ベクトル場および磁気ベクトル場に関するマクスウェルの方程式を解く必要があります。HFが低周波(Low Frequency: LF)電磁場と異なるのは、HF輻射が導電材料の内部を介さず、自由空間内で伝播することです。HF という用語は誤解を招きやすく、より正しくは、マクスウェル方程式をすべて解くことから、正しくはフルウェーブ解析(full wave analysis)と呼ぶべきです。LF電磁場界について解く方程式は、HF電磁場界と同じものですが、こちらは部分的に簡略化されています。
一般的に、HFシミュレーションは、波長が構造の幾何学的な寸法と等しいか、それより小さい場合に必要とになります。または、おおよその指標として、一般にHF電磁界シミュレーションでは、500キロヘルツ(kHz)を超える周波数、つまり電波、マイクロ波、赤外線、および可視光の周波数(さらにそれ以上)を扱います。
低周波(LH)電磁場界は、高周波(HF)電磁場界の静的近似または準静的近似となります。LF電磁場シミュレーションでは、マクスウェル方程式を簡略化(変位電流を無視するなど)して解きます。動作周波数がゼロ(静的)である場合、または波長が構造物の幾何学的寸法よりもはるかに大きい場合、このような近似が有効となります。LFとHFの間には明確な遷移周波数は存在しません。単線の導体の場合、静的な状態または低周波では、電流は材料内部の大部分の領域を通過しますが、周波数が増加するにつれて、電流は導体表面付近から周囲の誘電体領域へと通過するようになります。マイクロ波などの高周波では、エネルギーのごく一部のみが内部を通過します。このような状態では、導体は導波管(waveguide)と呼ばれます。LF Emagを静的または準静的どちらかに分類することは、難しいことです。