ANSYS ICEM CFD CFD Cart3D

Cart3Dは、空気力学の概念設計および予備設計のための、精度の高い非粘性解析パッケージです。NASA Ames Research Centerで開発された本パッケージは、外部流の空力シミュレーションで広く利用されています。Cart3Dは、ANSYS ICEM CFDに、 version 4.2から統合されています。

コンポーネントベースのアプローチ

Cart3Dで使用する形状は、コンポーネントの集まりとして定義されます。それぞれのコンポーネントは、共形なファセットを用いた、閉じた三角形形状のサーフェス(内部形状を持たず隙間のない面)から形成されます。形状モデルは通常、CAD形状またはSTLデータのいずれかで、ANSYS ICEM CFDに読み込まれます。ANSYS ICEM CFDの既存のCAD修正ツールを使って、Cart3Dに必要な、閉じた表面コンポーネントを作成することができます。このように、コンポーネントをベースとしたアプローチを用いることで、形状を修正した場合でも、新しいサーフェスの三角形分割を最初から行う必要がなく、コンポーネントの移動や変更によって対応することが可能です。

ボリュームメッシュの生成

コンポーネントを形成するサーフェスはメッシュ作成の前に、インターセクトがなされ、単一のぬれ面が形成されます。これにより、形状に問題がある場合にはそれを検知し、自動的に修正してメッシュ生成プロセスが困難にならないようにしています。

Cart3Dは、トポロジー的に非構造で、形状に適合して細分化された直交メッシュを作成します。初期メッシュの分割数や、初期メッシュ作成後の細分化レベル数を調整することにより、希望する微細なセルサイズを与えることができます。形状適合領域は、Densityをコントロールする多角形を使用し、ANSYS ICEM CFD内で通常の手順により事前に指定することが可能です。

メッシュ生成の速度は、一般的な処理能力を持ったワークステーションの場合で毎分百万セル程度です。メモリの使用量は、セルあたり約14ワードですので、通常百万セルのメッシュを生成するにはおおよそ54MB程度のメモリ使用のみとなります。

現時点では、メッシュのデータは、Cart3D固有のフォーマットか、非構造ヘキサメッシュとしてANSYS ICEM CFDドメインファイル形式で保存することが可能です。またANSYS ICEM CFDには、直交メッシュを直接、他のCFDソルバーフォーマットで書き出すための変換機能も備わっています。

流体シミュレーション

解析は、非粘性圧縮性流体流れのオイラー方程式を解く、スケーラブルでマルチレベルなソルバーにより実行されます。Cart3Dから出力されるメッシュは非構造な直交セルの集まりとして扱われ、直交セルを可能な限り利用することで、演算数を減少させるという特徴が実現されます。Cart3Dは、収束加速のためにFAS(Full Approximation Storage)マルチグリッドを使用し、また、ドメイン分割アプローチによる並列処理を行うことができます。これらの機能を用いることで、多数のプロセッサーによる良好なスケーラビリティを実現しています。標準的なケースでは、64プロセッサー数で56倍以上のスピード向上が可能です。

例:

技術メモ:

von Karman Instituteの講義ノート:

その他:

関連リンク: